Fedora Silverblue 35でNVIDIAのグラフィックドライバーを使う
NVIDIAのグラフィックボードを使っている環境では、デフォルトだとグラフィックドライバーとしてNouveauが使われる。しかし、比較的新しいグラフィックボードを使っていてNouveauの動作が安定しない場合や、CUDA、NVENCなどを使いたい場合はNVIDIAが提供しているドライバーが必要になる。
Fedora Silverblue 35時点でどのような手順で導入することになるか記しておきたいと思う。
最新の情報が知りたければ、注釈に入れているurlを参照してもらいたい。
RPM Fusionリポジトリの追加1
NVIDIAのドライバーはFedora / RHELでは提供されておらず、RPM Fusionがコンパイル済みのRPMパッケージを提供してくれている。
RPM FusionではOSSなパッケージはfree、プロプライエタリなパッケージはnonfreeのリポジトリで提供されている。Nvidiaのドライバーはプロプライエタリなので、nonfreeのリポジトリを追加する必要がある。nonfreeのリポジトリを利用するにもfreeのリポジトリが必要なので、両方追加する。
# freeのリポジトリの追加
rpm-ostree https://mirrors.rpmfusion.org/free/fedora/rpmfusion-free-release-$(rpm -E %fedora).noarch.rpm
# nonfreeのリポジトリの追加
https://mirrors.rpmfusion.org/free/fedora/rpmfusion-nonfree-release-$(rpm -E %fedora).noarch.rpm
# リポジトリのパッケージを利用するには再起動が必要
systemctl reboot
NVIDIAのドライバーのインストールと設定2
# カーネルモジュール、ディスプレイドライバー、CUDA関連、電源管理関連のパッケージのインストール
rpm-ostree install akmod-nvidia xorg-x11-drv-nvidia{,-cuda,-cuda-libs,-power}
# Nouveauの代わりにNvidiaのドライバーを使うなどのカーネルパラメーターの設定
rpm-ostree kargs --append=rd.driver.blacklist=nouveau --append=modprobe.blacklist=nouveau --append=nvidia-drm.modeset=1
# 反映には再起動が必要
systemctl reboot
# 電源管理関連のサービスを自動起動するように変更
systemctl enable nvidia-{suspend,resume,hibernate}
Flatpakの更新
Flatpakのアプリケーションは、別途NVIDIAのドライバーをFlatpakのランタイムとしてインストールする必要がある。そのためには、“ソフトウェア"アプリからアップデートするか、 flatpak update
を実行すればいい。
既知の問題
サスペンドからの復帰後に文字の描画がみだれる3ことがある。GNOMEのデスクトップ環境を使っているなら、GNOME Shellを再起動することで一時的に解消することができる。 Alt + F2
でコマンドを入力するポップアップが表示されたら、 r
を入力するとGNOME Shellを再起動できる。